タイムマシン › 肉体的精神的退化と社会的混乱の原因は食生活の変化

2015年03月09日

肉体的精神的退化と社会的混乱の原因は食生活の変化

私は政治学と国際法の勉強をそっちのけにしたまま、歴史、生物学、化学、宗教、哲学、文化、美術、文学、その他、人間と環境と食物の関係を理解する上で役立つものに関する勉強を始めました。特に、人間にとって良い食物とは何かを追求、変わりゆく環境と食習慣に注目したのです。
具体的には、私は食物という観点からアメリカという国を眺めてみようと、アメリカの建国前から現代までの食物の変化を遡って調べてみました。その結果、わかったことは1900年代の初めからアメリカの食生活は、大きな変化を遂げているという事実でした。
アメリカでも1900年ごろは、まだ穀物をずいぶん食べていましたし、肉類や卵、乳製品の摂取量は現在よりはるかに少ないものでした。それが、やがて黒パン・穀物の割合が減少して、年代を追うごとに穀物ばかりでなく、野菜や豆類なども減って、逆に肉や鶏肉、卵、牛乳・ミルク製品が多くなり、砂糖の消費が著しく伸びていったのです。それと同時に、化学肥料や農薬を使った化学農業が広まり、商業ベースの大量生産方式による食物が増え、様々なものが精選、精白されていきました。
伝統的な食体系から離れて、動物性食品といったものが増え、動物性蛋白、動物性脂肪の摂取量が増え始めるという食物の変遷につれて、アメリカ社会にはいわゆる退行性疾患といわれる心臓病やガン、アレルギーなどが多くなっていきました。と同時に、社会犯罪といわれるものがどんどん増えていったのです。そして家庭内の不和が増え、家庭が崩壊していくという世の中の変化を見ていくことによって、現代社会に広がりつつある人間の肉体的・精神的退化と社会的混乱が、急激に変化した食物と深く関わっているということもわかりました。
ここに欧米社会の悩みと問題があるのですが、それを真似して急速に欧米に近づいているのが、戦後の日本であり、アジア諸国なのです。実際に、そうした目で日本の国を見ると、やはり似たような現象が急速に広まっていることは、すでに指摘した通りです。
現在、私たちが摂取している食物は、一世代前に私たちの親が食べていたものに比べて、すっかり様変わりしていますし、祖父母や祖先たちが口にしていた食物と比べると、何から何までちがっているのです。
野生の動物は基本的に病気にはならないと、先に指摘しましたが、万物の霊長である人間も本来、その操作が正しければ健康であり健全な考え方を自然に身につけているはずなのです。逆に、操作を間違えれば、人間は病気にもなり不幸にもなるのです。
旧約聖書には禁断の木の実を食べたアダムとイブが楽園を追われるという象徴的な話が出てきますが、現代における人間の退化の根本的原因に気づいた私は、人類の未来に思いをはせ、暗澹たる気分に捕らわれました。ホモ・サピエンスという種の衰退と絶滅を招くものは、決して核戦争だけではないのです。



Posted by dgfjas6fさんの日記 at 19:13