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2016年03月25日

昔から高かったとは思えない

前世紀の話になる。
「原子力船むつ」の事件をご存知だろうか?

当時、近い将来に枯渇するであろうと思われる石油資源に頼らない方法として、原子力船の構想が持ち上がり、実験線として「むつ」が建造された。

そして、試験航海中に問題が発生した。

原子炉格納容器付近で、極微量の放射線が検出されたのだ。

結果として、「危ない」として寄港予定地から入港を拒否され、三陸沖を暫し漂流することになった。

面白いのは、当時の報道だ。

朝日新聞をはじめとするメディアは、「放射能漏れ事故」として大々的に報じたのだが、実際に漏れたのは「放射線」、しかもそのレベルは当時の胸部X線検査の被曝量の数千分の一程度。
つまり、この放射線漏れの現場で数十年被爆し続けても、定期健康診断で撮影する胸部X線検査の放射線量を下廻ると言った程度のもの。

話をややこしくしたのは、「放射線」と「放射能」との区別がつかない諸君が、糞味噌ごたまぜで騒いだから。

結果として、この国では原子力船は実用化されることなく、現代に至っている。

そして石油資源の残量の”読み違え”もあり、商業船での原子力船は世界的にも実用化はされず、唯一原子力空母と原子力潜水艦でのみ実用化を見ている。

さて、今回アサヒが着目している内部被曝だが、これ、放射線の内部被曝と放射能の内部被曝とでは、意味合いが全く違う。

調査した消費者庁もさることながら、朝日新聞の記者も、放射能と放射線の違いをわかっているのだろうか。


なんとなく、調べている方、報じている方が、違いがわかっていないような気がする。




Posted by dgfjas6fさんの日記 at 18:15